理想的な自給自足植物

megalopa

2013年04月05日 00:39

人間が自給自足的な暮らしを実現するためには、畑を耕したり、野山の野草や実の収穫をしたり、魚介類を採取したりと、あちこちと動き回らないといけません。まさに動く物(動物)ですから、動くこと無しでは自給自足は実現できません。その点植物が、一点にとどまり、根を張って養分を吸収し、光合成によりエネルギーを自己生産して成長するという生き方は、自給自足の目指す究極の姿といえると思います。そこで理想的な自給自足の手本となる植物が、ヤエヤマオオタニワタリ(着生植物)です。

放射状に斜め上に伸びた葉は、全体としてはオチョコのような姿になっています。落ち葉をここに集めて、自分が成長するための肥料とし、溜まった落ち葉はやがて腐葉土になり、葉の間から出る根によって保持され、養分を吸収し株が成長するのです。株の成長にともない放射状の葉も成長して、落ち葉の受け口も拡大し、持続して養分が供給され成長する様は、実に効率的で感心します。
あまり動き回らずに、身近なものを効率的に継続利用して暮らす術を教えられている気がします。
八重山では、葉先端部の巻いた新芽が展開するところを湯がいて、食材として親しんで利用されています。野山では先端部が切り取られた葉が見受けられのは、持ち帰ったからでしょう。生育環境がよければ、大きな株の周辺には、胞子が飛んで次々と株が増え、労せずして食材確保ができ重宝しますし、また群れた景観は、熱帯のジャングルの雰囲気を醸しだしてくれるので、ビオトープの池の回りに植えてトロピカルな雰囲気作りに役立っています(ケン)。


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