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2012年08月28日

渚の化石、ビーチロック

ウミガメが上陸する近くの浜には、一部が岩のように硬くなった浜辺が50mほど連なった地形があります。浜の堆積物とサンゴの破片などが固結して、岩石状になったものでビーチロックといい、沖縄では板干瀬(いたびし)と呼ばれています。
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普通の岩石が気の遠くなるような時間を経て形成されるのに対して、ビーチロックは数千年~数十年以内で形成されるところが特異な地形といえます。数十年というのは、岩の中にビンの破片やナイフ、弾薬筒、薬ビンなどが含まれていることなどから推定されています。
成因については、炭酸カルシウムのセメント作用により、砂、れき、岩石などが固結したもので、海水が炭酸カルシウムの供給源といわれています。固結するまで、夜間海水中に溶存するCO2(生物の呼吸)、日中の温度上昇、水分蒸発、潮汐、日射など複雑な化学変化作用を、昼夜干満を繰り返すことで硬化、形成されていくとされています。
近くで見てみると、砂が固まりはじめたものや固まって大きな塊となったものなどがあちこちで観察できます。
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ビーチロックの分布がほとんどサンゴ礁海岸に見られることから、熱帯、亜熱帯地域の特徴を示す指標にもなり、日本では
北陸や房総半島が北限といわれ、かって温暖な地域であったことがわかります。
あとその形成が潮間帯であることから、過去の海面を示す化石地形でもあり、渚の化石というロマンチックな呼ばれ方もします。
かって沖縄では、海岸からこの岩を切り出し、石垣や屋敷囲いに利用していました。今日でも、波浪による海岸侵食から砂浜を防いで、天然の防波堤の役割を果たしています。
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サンゴ礁のある沖縄ならではの風景ビーチロック、その存在意義は奥深い貴重なものです(ケン)。


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Posted by megalopa at 17:13│Comments(0)地形、地質
 
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