『ぶー』を育てる
この春、石垣市伝統工芸館で約二ヶ月にわたり、
八重山上布でつかう糸の紡ぎ方を習ってきました。
糸の原料は、カラムシです。
別名、苧麻(ちょま)といいますが、八重山では『ぶー』と言われることが多いです。
講習では、ぶーの収穫から、繊維のとり方、繊維を裂いて糸にし、それを紡いでいく・・・
という、一連の作業を教えてもらえました。
週三日で毎回三時間、
ほとんどの時間を繊維を裂き糸にして、ひたすら紡いでいましたが、
まず、細く、しかもある程度一定の太さに裂くことが難しく、
紡いだ部分の糸の処理も細かな作業となり、『三時間でこれだけですかっ!?』
くらいの量しか紡げませんでした。
先生はスーーーっと繊維を裂き、クルクルクルっと紡ぎ、
かごの中には細くてきれいな糸がどんどんたまっていきます。
赤瓦の民家の縁側で、お年寄りがゆったり糸紡ぎ・・・、
沖縄のイメージとして出てくる光景ですが、実際にかかわっている方々は年齢も様々ですし、
少しでも糸を紡ぎ、少しでも織りたい・・・といった、
ゆったりよりはむしろ、ばりばりやっている職人さんといった感じを受けました。
今後、糸の仕上がりによっては、伝統工芸館内で買取もしていただけるとのことです。
原料の乾燥させた繊維も売っているそうですが、
原料のぶーを育てることからはじめたいと、知り合いの方から一株分けていただきました。
一ヶ月後・・・
写真の角度で分かりにくいのですが、丈は倍近く伸び、葉も大きく青々してきました。
後ろからも、新芽がいくつか出て伸びています。
ぶーはとても成長が早く、年に4回も収穫ができるそうです。
これから、移植もして増やしていきます。
早く繊維がとれる日がきてほしいです。(ノリ)
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